#04.地下室の有効利用


土地の有効利用といった観点もあり、コーポラティブハウスは地下室を積極的に活用している。
 
今までのゼロワンオフィスでも三鷹のM-split 以外には全て地下室がある。もちろん反省点もあるが、メリットも数多くあることは実証されてきている。
 
プライバシー性は高いし外の気温の影響も少ない。防音性能も確保しやすい。そして何より性能云々と言うより、なにか妙に落ち着く空間なのだ。こればっかりは実際に生活体験をしてみなければわからない感覚かもしれない。
 
しかし、地下にはやはり地下を意識した設計というものが必要なことは確かである。自然採光を貪欲に取り込むことがプラスアルファとしてとても重要なことである。最大のネックは湿気ではなくやはり自然光と言ってもよい。一番手っ取り早いのが床面積を欲張らず、吹き抜けを設ける設計だ。
 
直接土に接する壁は必ず二重壁とし、床下にはピットを設け二重スラブにするなど、基本に忠実に設計をすれば居住性は確保できるのだが、光だけはなんともならない。照明計画やカラーコーディネートも大切で、昼間の照明もある程度考慮しておくに越したことはない。
 
なるべく白っぽい仕上げに昼の補助光と夜の照明と併用することがベストであろう。具体的には白い照明とオレンジの照明の併用である。昼間でも暗い日はあり、地上階の部屋でも実際には暗くなるのだが、地下の場合余計その暗さを意識して、やっぱり地下だからだと悲観的になってしまいがちである。
 
そんな時は白熱灯より蛍光灯など白い光でカバーするほうが自然な明るさが確保できる。照明に限らず、人工的な補助はその存在を感じさせないことが大切だと考えている。そういった意味でも快適さのためには床暖房も欠かせない設備であろう。
 
24時間換気も法律で義務化される時代、せっかくの現代の技術を有効利用し、地下室住居を快適にダイナミックに暮らすのも一つの特権かもしれない。
 
ちなみにゼロワンオフィスは地下を満喫している。
 
代表取締役 伊藤 正